胆嚢ポリープ
胆嚢ポリープ
胆嚢(たんのう)とは、肝臓の下に位置する小さな袋状の臓器です。胆嚢の機能は大きく3つに分けられています。
胆汁の貯蔵
胆嚢は肝臓で生成された胆汁を一時的に貯蔵します。胆汁は、脂肪の消化を助けるために重要な消化液です。
胆汁の濃縮
胆嚢内で胆汁は濃縮され、消化に必要なときに効果的に放出されます。
胆汁の放出
食事を摂取すると、特に脂肪分を含む食事の後、胆嚢は収縮し胆汁を小腸(十二指腸)に放出します。これにより、脂肪の消化と吸収が促進されます。
胆嚢ポリープは、胆嚢の内壁にできる突起状の組織のことをいいます。これは、胆嚢内の細胞や組織が異常に増殖した結果として形成されるもので、良性のものから悪性のものまで様々なタイプがあります。多くの胆嚢ポリープは無症状であり、他の検査の際に偶然発見されることが多いです。胆嚢ポリープの原因は、未だはっきりしたことが解明されていません。しかし、肥満、脂質代謝異常、耐糖能異常(糖尿病予備軍)、胆のう炎などがリスク要因となるものと考えられています。
胆嚢ポリープは、いくつかの種類に分けられています。
胆嚢の内壁にコレステロールが沈着してできるポリープで、約9割がコレステロールポリープと言われています。良性であり、がん化するリスクは非常に低いです。
炎症によって形成されたポリープです。これも一般的には良性です。
胆嚢内の粘膜細胞が異常増殖してできるポリープです。腺腫は、がん化のリスクがあるため、注意が必要です。
ポリープ状に見えるものの中には、初期の胆嚢がんである場合もあります。ポリープの段階で発見できれば、適切な治療により根治できる可能性が高くなります。特に大きなポリープや急速に成長するポリープは、がんのリスクがあり、詳細な検査が必要です。
多くの胆嚢ポリープは無症状なため、健康診断や他の疾患の診断の過程で偶然発見されることが多いです。大きなポリープや胆石と併存する場合には、右上腹部に痛みを感じることがありますが、一般的には症状がないことが多いです。
腹部超音波検査を行い、診断します。ポリープの大きさ、数、形態などがわかります。
ポリープの状態によっては、MRI検査や超音波内視鏡検査が必要となることもあります。
上記の場合には、胆のうがんの可能性を考え、高次医療機関へ紹介させて頂きます。
定期的な検査と監視を行えば、多くの良性ポリープは問題を引き起こすことなく、特に治療を必要としない場合がほとんどです。ポリープの大きさが10mm未満で、悪性の可能性が少ない場合には、腹部エコーなどで経過観察を行います。
ポリープの大きさが10mm以上の場合や悪性の可能性が高い場合には、手術治療が必要となります。
TOP