内視鏡検査
内視鏡検査
内視鏡検査は、主に口や鼻から食道・胃・十二指腸までを観察する上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)と、肛門から直腸・大腸・小腸の一部までを観察する下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)の2つがあります。小型の高精細カメラを内蔵した柔らかくて細長いスコープを体内に挿入することで、直接内部を観察し腫瘍や炎症などの異常を発見することができます。また、内視鏡用の処置具を使用することで、検査中に組織の一部を採取(生検)し精密検査を行うことや、ポリープの切除などの治療を行うことも可能です。
一生のうちに2人にひとりは「がん」と診断されると言われており、高血圧や糖尿病といった生活習慣病と並んで一般的な病気です。がんの部位別のデータを記載します。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
総数 | 大腸 | 肺 | 胃 | 乳房 | 前立腺 |
男性 | 前立腺 | 大腸 | 肺 | 胃 | 肝臓 |
女性 | 乳房 | 大腸 | 肺 | 胃 | 子宮 |
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
総数 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 |
男性 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 |
女性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 | 乳房 | 胃 |
このように大腸がんと胃がんは、日本におけるがんの罹患数および死亡数の上位を占める病気です。現在では内視鏡での低侵襲な治療も進歩し、がんを早期発見さえすれば命に関わることはほとんどありません。お腹の痛み、便に血が混じる、便秘などの症状がある方や健康診断の便潜血検査で陽性になった方は内視鏡検査を受けることをお勧めします。
内視鏡検査を楽しみに受ける方はまずいないと思います。多くの方が「つらい」「苦しい」「痛い」「恥ずかしい」というイメージや検査に対する不安を感じるのはごく自然なことです。ここ10年で内視鏡検査を行っている医療機関はとても増えており、その中のどこで誰に内視鏡検査をしてもらうかはとても大切なことです。検査の負担が少なく、精度の高い検査を受けて頂くために、クリニックを選ぶ際のポイントをお伝えします。
症例数が豊富な大学病院で経験を積み内視鏡専門医を持つ院長が、胃カメラ・大腸カメラを行います。胃カメラでは詳細な観察でがん病変を見つけることや、大腸カメラでは丁寧な挿入と確実なポリープ切除など内視鏡検査では検査者の技量が大切となってきます。
鎮静剤を用いた内視鏡検査の大きな目的は「不安」や「苦痛」の軽減です。鎮静の程度を調整することも可能で、検査に対して不安や恐怖心が強い方は「ぐっすりと眠った状態」に、検査画面を一緒に見たいという方は「苦痛を取り除く程度の状態」に、というように患者様の状態やご希望に合わせて検査を行うことができます。
当院では富士フィルム社の最先端の内視鏡システム「ELUXEO 8000システム」を導入しています。鮮明な画質と多彩な観察モードで、がんなどの重大な病気の見落としを防ぎます。日々進歩する医療機器を積極的に導入し、質の高い医療サービスを提供します。
大腸がんの多くは、良性であった大腸ポリープががん化して発生します。当院では、大腸カメラ検査で発見した大腸ポリープを、その場で切除することが可能です。また、病変が極端に大きい場合や、出血リスクが高い病変など入院での治療が望ましいと判断した場合は連携を図っている専門病院へご紹介させて頂きます。
当院では胃カメラと大腸カメラを同じ日で行うことが可能です。検査当日の朝より大腸検査用の下剤を内服頂き、腸がきれいになってから胃カメラと大腸カメラ検査を続けて行うことができます。
当院では午前中朝早くの内視鏡検査や土曜日の内視鏡検査が可能です。なにかと多忙な現代、限られた時間を有効に使って頂けます。
使用する内視鏡や処置具は、日本消化器内視鏡学会が定めているガイドラインに準拠した消毒衛生管理を実施しておりますので、安心して検査を受けて頂けます。
こんな症状の方は内視鏡検査をおすすめします。
保険診療の場合、日本全国どの医療機関で検査を行っても、検査費用は基本的に一律です。
費用の目安は下記をご確認ください。胃と大腸の検査を同時に受けた場合は、単純に合算となります。
検査項目 | 1割負担 | 3割負担 |
---|---|---|
胃内視鏡(観察のみ) | 2000円前後 | 5000円前後 |
胃内視鏡検査+生検※ | 3000~4500円前後 | 9000~14000円前後 |
大腸内視鏡(観察のみ) | 2500円前後 | 7500円前後 |
大腸内視鏡検査+生検※ | 3000~5000円前後 | 10000~22000円前後 |
大腸内視鏡検査+ポリープ切除 | 7000~12000円前後 | 20000~36000円前後 |
検査前の準備時間を除くと、胃カメラが5~10分、大腸カメラが15~30分程度です。大腸カメラの場合にはポリープの数が多い場合などは多少時間が前後します。また、鎮静剤を使用した場合は30分~1時間程度院内で休憩を行い、安全を確認してから帰宅して頂きます。
胃カメラと大腸カメラのそれぞれに検査前の食事や水分摂取の注意事項があります。検査前の外来でご説明させて頂きます。また、各検査のページにも詳細を記載していますので、ご参照ください。特に血をサラサラにする薬や糖尿病の薬を飲んでいる方は事前に申告頂き、必要に応じて検査前には休薬をして頂くことがあります。
当院では不安や苦痛を軽減するために、希望する方には鎮静剤や鎮痛剤を使用しています。また、内視鏡検査の工夫や検査前の十分な説明、看護師による介助などで可能な限り不安を軽減するように努めています。しかしながら、薬の効きやすさの個人差やお腹の手術歴の有無などで、どうしても痛みを感じてしまう場合がございます。最大限の注意を払いながら検査を行います。
鎮静剤を使用しない場合は、検査当日もお車を運転して頂くことは可能です。鎮静剤を使用する場合には、車の運転は危険を伴うため公共交通機関や付き添いの方の送迎で来院をお願いします。また、検査後も眠気や判断力の低下が残る可能性があるため、検査当日の運転(車・バイク・自転車など)はおやめください。
大腸ポリープ切除や組織採取(生検)の際に痛みを伴うことはありませんので、ご安心ください。
TOP