胸焼け・胃もたれ
胸焼け・胃もたれ
胸焼けとは、胸部や喉に感じる灼熱感(その部分が熱く燃えているような感覚)や不快感をいいます。主に胃酸が食道に逆流することで起こり、酸逆流とも呼ばれます。胸焼けは、一過性のものであったり、慢性的に発生したりすることもあります。食道や胃の粘膜は炎症が長期間続くとがん化しやすい傾向があります。
また、食道がんや胃がんは進行するまで自覚症状に乏しく、進行しても胸焼け程度の症状しか起こさないこともあります。慢性的な胸焼けがある場合には、お早めに当院までご相談ください。
胸焼けの原因はさまざまですが、主なものにこのようなものが挙げられます。
食事内容
消化に時間がかかる脂質の多い食事や刺激の強い香辛料を含む食事など偏った食生活は胸焼けや胃もたれの原因となります。また、飲酒やカフェインの取りすぎも原因となります。
食習慣
食べ過ぎや食後すぐの横になる行動は、胃酸が逆流しやすくなります。就寝前の食事も胸焼けの原因となります。腹8分目程度の食習慣や就寝3時間前までに食事を済ませるようにしましょう。
喫煙
喫煙することで胃の入口になっている部分の筋力が低下し、胃もたれや喉の違和感などの症状を起こしやすくなります。
ストレス
消化管の機能は自律神経がコントロールしているため、ストレスによって自律神経のバランスが崩れることで、胸焼けなどの症状を起こすこともあります。また、胃潰瘍の発症や悪化にストレスが関与することもあります。十分な睡眠や休息をとり、運動や趣味などで上手にストレスを発散しましょう。
胃の圧迫
妊娠や肥満、便秘などは、胃を圧迫して胸焼けの発症や悪化を起こすことがあります。肥満の場合は減量し、便秘は食物繊維や水分を多くとることで改善を図ってください。また、妊娠による圧迫で胸焼けがある場合は、少量ずつ分けて何度も食べるなど、工夫して必要な栄養をしっかりとるようにしましょう。なお、食後すぐに就寝すると消化がうまく進まずに胸焼けや胃もたれなどを起こしやすくなります。就寝3時間前までに夕食を済ませるよう心がけてください。
食道裂孔ヘルニア
胃の一部が横隔膜を通って胸部に突出することで、胃酸の逆流が起こりやすくなります。
このような症状がある場合には、お早目に当院までご相談ください。
胸焼けが頻繁に起こる場合や、症状が重い場合は診察をおすすめします。特に、胸痛がある場合は、心臓に関連する問題や、早急な診察が必要な場合もあります。胸焼けの症状が続く場合や生活の質に影響を与える場合は、早めに適切な治療を受けることが大切です。
胃が重い、胃が張って苦しいなど、消化が進まず胃にたまった食べ物が不快感を起こしている状態を胃もたれと言います。吐き気なども胃もたれと感じるケースがあり、胃もたれを医師に伝える際には別の表現でも説明すると伝わりやすくなります。脂肪やたんぱく質の多いものを食べ過ぎて起こることも多く、日常的に起こりやすい症状ですが、疾患の症状として起こっていることもあります。
胃もたれの原因はさまざまですが、主なものとして以下のものが挙げられます。
食事内容
消化に時間がかかる脂質の多い食事や刺激の強い香辛料を含む食事など偏った食生活は胃もたれの原因となります。また、飲酒やカフェインの取りすぎも原因となります。
食習慣
食べ過ぎや不規則な食事習慣、就寝の直前に食事をすることは胃に負担をかけ、胃もたれにつながります。
ストレス
ストレスにより自律神経系のバランスが崩れると消化管の機能も低下し、胃液分泌の減少や内容物を先へ送る蠕動運動の低下によって胃もたれを起こしやすくなります。十分な睡眠や休息をとり、運動や趣味などで上手にストレスを発散しましょう。
消化器疾患によるもの
胃もたれは幅広い消化器疾患によっても生じやすい症状です。特に慢性的に続く場合にはなんらかの疾患の関与が疑われます。
加齢
加齢により消化機能が衰え、蠕動運動などに必要な筋力も低下します。加齢により、特に食べ過ぎなくても胃もたれなどを起こすことがあります。
胃もたれで特に注意が必要なのは胃がんです。胃がんは早期の自覚症状がほとんど現れず、進行しても軽い症状しか起こさないことがあり、定期的な胃カメラ検査により早期発見・早期治療につなげることが求められます。
また、ピロリ菌に感染している場合、慢性胃炎から萎縮性胃炎に進行することがあります。萎縮性胃炎は胃がん発症のリスクが高い状態ですが、慢性胃炎や萎縮性胃炎も自覚症状に乏しいことが珍しくありません。
なお、ピロリ菌に感染している場合、除菌治療でピロリ菌の除去に成功できれば胃炎の再発率を大幅に下げることができ、胃がん発症のリスクを軽減できます。また、病変がなく症状が現れる機能性ディスペプシアなどの場合もあります。胃もたれでお悩みでしたら、まずは当院までお気軽にご相談ください。
先端にカメラが付いた極細の内視鏡スコープを口や鼻から挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を詳細に観察できる検査です。病変の位置や範囲、状態をしっかり把握でき、微細な病変の発見も可能です。食道・胃・十二指腸を直接観察することで、器質的な疾患や症状の原因となる異常がないか、確実に確認することができます。
また、なにか異常を認めた場合には検査中に組織を採取し、病理検査によって多くの疾患の確定診断が可能となります。特に貧血や黒い便を伴う腹痛に関しては食道がんや胃がんを含む食道・胃・十二指腸からの出血が疑われるため、早めに胃カメラを受けましょう。
X線CT(X-ray Computed Tomography)検査は、X線を身体の周りから照射し体内を透過したX線量をコンピュータで処理することによって体の輪切りの画像を得ます。身体のあらゆる部位の内部構造を画像化することが可能です。一般のレントゲンでは得ることの出来ない詳細な体内の情報を得ることができ、腹痛の原因を調べるにはとても有用な検査です。当院では16列マルチスライスCTを導入し、検査時間の短縮や低被爆でより安全に検査を行うことが可能となっています。また、当院では診断精度の向上を目的とし遠隔画像診断を採用しております。撮影した画像は後日、診断センターに送信し、放射線科専門医の読影を依頼しています。
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